自分の体だけでなく地球もフィットに! あなたも今日から「グリーンランナーズ」の一員になってみない?

移動手段と食事法、ギアの消費を見直して、このコミュニティを広めよう。

above view of jogging woman
Liliya KruegerGetty Images

ランニングクラブの中には、特定の地域に根差すものもあれば理念に根差すものもある。『グリーンランナーズ』は後者の1つ。数名のウルトラランナーが設立した同クラブの目的は、世界中のランナー1人ひとりを刺激して、環境保全につながる変化を起こそうという気にさせること。その活動の中心には、移動手段の見直し、食事法の見直し、ギアの消費削減、周知徹底という4つの柱がある。

「ここで言う移動手段は、レース会場やトレーニング施設に行くための手段です」と説明するのは、記録破りのウルトラランナーでグリーンランナーズ共同設立者のジャスミン・パリス。「海外の会場には飛行機以外の方法で、国内の会場には公共交通機関を使って行きたいところです」。そこでグリーンランナーズは各レースの主催者に一部のレースの開始時間を変更し、参加者が公共交通機関を使いやすくするよう呼びかけている。どうしても飛行機を使う必要があるときは、何らかの方法で温室効果ガスの排出量を相殺することが好ましい(これをカーボンオフセットという)。英エディンバラ在住のパリスは昨年、アメリカのテネシー州で開催されたバークレイマラソンに参加した。「バークレイに参加したので、ハードロック100には申し込みませんでした。1年で2度もアメリカに飛ぶ理由にはならないと思ったからです」

また、グリーンランナーズはギアのリペア、リユース、リサイクルを推奨している。「もっともサステナブルなギアは、あなたがいま着ているものです」と話すのは、同じくグリーンランナーズ共同設立者のダレン・エヴァンス。「破れた上着はロックテープと、衣類の伸縮性を低下させない専門ののりで直せます。長年の過剰消費を私たち1人ひとりが減らせば、大きな違いが生まれるはずです」

グリーンランナーズにはベジタリアンかヴィーガンの人が多いけれど、これは加入条件じゃない。大事なのは小さな変化を起こすこと(例:週に1~2日は肉を食べない)。もともとベジタリアンだったパリスは、グリーンランナーズ設立をきっかけに乳製品の摂取を減らした。「紅茶好きということもあり、以前はチーズや牛乳を頻繁に摂取していましたが、オーツミルクにするだけで乳製品の摂取量が約半分になりました。大切なのは変化を起こしてみることです。それを持続させたいときは、誓いを立てて変化に意味を持たせましょう」

最後の柱は周知徹底。グリーンランナーズのホームページでは、年会費2.50ポンド(約400円)で自分の誓いが立てられる。この誓いは、移動時の温室効果ガス排出量や肉製品の消費量を減らすでもいいし、修理・修繕でギアの寿命を延ばすでもいい。コミットする内容次第で、使い古されたランニングギアのリメイクを専門とする『ReRun Clothing』からグリーンランナーズのバッジが贈呈されることもある。

グリーンランナーズの一員になれば、ロールモデルになるような仲間も得られる。パリスには少し前までオフロードシューズブランド『inov-8』がスポンサーについていた。でも、「スポンサーが付いていると独立性を維持するのが難しいので、企業のアンバサダー契約を解除しました。いまはグリーンランナーズ一本です。8月末には、グリーンランナーズのプロモーションでUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)を走ります」

自分の価値観に従って生きるのは難しい。でも、地球が気候危機に直面するいま、私たち1人ひとりパリスのあとに続くべき。

 

※この記事は、アメリカ版『Runners World』から翻訳されました。

Text: Rick Pearson Translation: Ai Igamoto

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