【アースデイ】ボトル入り飲料水が地球に与える5つの問題!それでも、ペットボトルを買い続ける?

身近なボトル入り飲料水が海洋汚染、不平等などの大きな問題につながっている!

【アースデー】ボトル飲料水が地球に与える5つの問題!それでも、ペットボトルを買い続ける?
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プラスチックが地球環境に影響を与えていることを見聞きしている人も多いはず。

プラスチックは製造過程やゴミ焼却の際に二酸化炭素を排出し、それが地球温暖化の一因であること。また、適切に処理されなかった場合は海洋汚染を引き起こすことになる。

アースデーの4月22日、わたしたちは、自分の身の回りを振り返り、何かひとつでも地球環境、そして同じ地球に住む人々のために役立つ行動を起こす日としたい。

身近なプラスチック製品、ボトル入り飲料水についてならできることがありそう!

(以下、2023年3月22日国連大学の水・環境・保健研究所「UNU-INWEH」発表『世界のボトル飲料水産業:影響と傾向の評価(Global Bottled Water Industry: A Review of Impacts and Trends)』報告書を参考)

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1. 毎分、世界中で販売されいているボトル入り飲料水は100万本以上! そこから発生するプラスチックごみを縦列させたら、ニューヨークからバンコクを繋げられる距離に

ボトル入り飲料水によって毎年発生するごみの総重量は40トントラック625,000台分になるという。

報告書によると、2021年に生産されたプラスチックボトルや容器は6,000億個と推計されていて、これは2,500万トンものPETゴミに換算され、大半がリサイクルされず埋め立て処分されている。

ちなみに、2021年度の日本のペットボトルリサイクル率は86%(PETボトルリサイクル推進協議会調べ)と高い比率だけれど、ポイ捨てやゴミ箱からあふれたペットボトルは河川へと流れ着く。

こうしたプラスチックごみはいずれ海へ行きつき、波や風、紫外線にさらされてマイクロプラスチックに。マイクロプラスチックは海や海洋生物、最終的には人間にも悪影響をもたらすことになる。

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2.全世界のボトル入り飲料水の年間販売額は2,700億米ドル

この金額を日本円にざっと換算すると、約36兆円!

一方で、世界で安全な水を飲むことのできない20億人の人々のために必要な年間投資額は、この半分以下なのだそう。つまり、世界中のボトル入り飲料水の年間売り上げの半分未満の金額を利用すれば、清潔な水道水を飲むことのできていない数億の人々に、長期にわたって安全な水を供給できるかもしれないということ。

これは、SDGs「安全な水とトイレを世界中に」という目標から見ても、矛盾を感じざるを得ない。

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3.ボトル飲料水の価格は水道水の価格の150倍から1,000倍近く高い

1リットルあたりのボトル飲料水の価格は世界の各地域によって異なるけれど、水道水の価格の150倍から1,000倍近く高い。最も利益率が高いのは天然水のよう。

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4.地域の水資源への影響は?

現状、取水による水資源への影響を確認できるデータはほとんどないとのこと。理由は、生産者に情報公開や、環境影響評価を義務づけるための透明性や法的基盤がまだ整っていないため。

参考までに、アメリカではNestlé Waters社がフロリダ州の湧水から毎日300万リットルほど取水。フランスでは、Danone社がフレンチ・アルプスのエビアン・レ・バンから取水している量は、毎日最大で1,000万リットルにも上るそう。

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5.はたして、ボトル入り飲料水は安全なの?

一般的に、ボトル入り飲料水は公共水道ほど厳しく監督されていないのが現状。しかし、一方で、インドネシアやメキシコ、モロッコなど低・中所得国でボトル入り飲料水が消費されている理由には、水道水の質の低さや不安定な公共水道システムが関係している。

ボトル入り飲料水の水質に変化をもたらす可能性があるとされているのは、水源、塩素処理や紫外線消毒などの処理方法、保存状態、パッケージ方法など。

こうした報告を見ると、水道水の水質基準が厳しいとされる日本では、はたしてペットボトル入りの飲料水をわざわざ購入する必要はあるの?

立ち止まって考えれば、自ずと取るべき行動が見えてくる。この選択が、地球環境を守り持続可能な世界を作る第一歩!

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News Desk Manager 大学卒業後、フリーランスライターを経て、女性誌エディター、旅雑誌編集長、書籍編集者として、ファッション・ビューティ・カルチャー・フード・旅…とジャンルを問わず女性たちが気になるヒト・モノ・コトなんでも取材。最近、アート展に向かうとき、いつも重たい頭がすっきり軽くなっていることを発見。好きなものは、コーヒーと本と猫。福岡県出身。