ダイエットはパーソナルな挑戦だが、人生において訪れる他の選択と同様、十分な情報をもとに決断することが、望む結果につながる。そして、それは日々の買い物にも通じているのだ。
減量への旅は、スーパーの食品売り場を回るところから始まっている。ヘルシーな食生活の味方である野菜や果物から、栄養価の高い豆類や全粒粉など、いろいろなものが揃っている。
体重を減らすためには、消費するカロリーよりも摂取するカロリーを減らす必要がある。また、摂取カロリーを減らすだけでなく、ビタミンやミネラル、食物繊維、低脂肪のタンパク質などが豊富な食事をとり続けることが、ダイエットを続けていくコツであり、健康増進のカギとなる。
長く続けられるものこそ、あなたにとってベストなダイエット。冷蔵庫やパントリーを栄養価の高い食材で満たし、簡単でヘルシーな食品を用意しておけば、無駄なカロリー摂取を防ぐことができる。
ある研究では、カロリーの値よりも、摂取する食品の質や、精製された小麦粉・砂糖が少ない食事をとることが重要だと示されている。加工食品を多く含む食事は過食につながり、体重を増やしてしまう可能性があるためだ。
ここでは、日々の買い物で積極的に取り入れたい食品とメニューを、登録栄養士のエイミー・フィッシャー氏とともにUS版『Good Housekeeping』がご紹介。
農産物
果物や野菜は低カロリーで食物繊維が豊富なため、減量や体重の維持に関連する食品としてトップクラス。低カロリーな分、たっぷり食べることができるうえ、豊富に含まれる食物繊維によって満腹感を維持することができる。目安にしたいのは、1日5人前(の野菜や果物)。
研究によれば、これらの食品の摂取量が多いほど、長期的な健康状態が改善され、心血管疾患や2型糖尿病のリスク低下が報告されているという。
野菜や果物は、以下の食品を積極的に取り入れていこう。
新鮮な野菜
- アスパラガス
- ブロッコリー
- 芽キャベツ
- カリフラワー
- セロリ
- きゅうり
- なす
- にんにく
- サヤインゲン
- ケール
- レタス
- トマト
- きのこ
- 玉ねぎ
- 唐辛子
- ほうれん草
- さつまいも
- ズッキーニ
新鮮な果物
- りんご
- アボカド
- バナナ
- ベリー類:ブラックベリー、ブルーベリー、ストロベリー、ラズベリーなど
- 柑橘類:グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライムなど
- ぶどう
- キウイ
- メロン
- 洋梨
- ザクロ
冷凍食品
冷凍の果物や野菜は収穫後すぐに急速冷凍されることが多いため、生の状態のものより栄養価が高いことも。
冷凍庫に常備しておけば、果物ならいつでもスムージーやヨーグルトに加えることができるし、野菜はスープや炒め物などにすぐ使える。ただし、塩分や糖分を含む調理済みの冷凍食品は避けるようにしたいところ。
- アーティチョーク
- ベリー類
- ブロッコリー
- カリフラワーライス
- 魚
- 枝豆
- ミックスベジタブル
- さつまいものフライドポテト
チルド食品
低脂肪で良質なタンパク源は、チルド食品のコーナーにたくさん売られている。例えば、通常のヨーグルトよりもタンパク質が多く含まれている無脂肪・低脂肪のギリシャヨーグルトや、アイスランド生まれのスキールヨーグルト。これらを買うなら、プレーンや無糖のものを選ぶのがベスト。
また、植物性のヨーグルトや植物性のミルクには、脂質や糖分が多く含まれていたり、タンパク質が少なかったりする場合もあるので、ラベルの確認も忘れずに。1食分の砂糖が8グラム以下になるようにしよう。
- 卵(もしくは代替卵)
- 低脂肪のタンパク質:魚、チキン、ターキーなど
- 低脂肪・無脂肪のチーズ、カッテージチーズ
- 低脂肪・無脂肪のプレーンギリシャヨーグルト、スキールヨーグルト
- 代替ミルクや代替ヨーグルト
- 大豆食品:豆腐や納豆、テンペなど
- フムス
常温食品
パントリーに保管できる常温食品は賞味期限の長いものが多いので、ストックしておくと便利。しかし、缶詰のスープや野菜などは、手軽ないっぽうで塩分が多く含まれていることもあるため、ラベルをしっかり確認し、「塩分無添加」あるいは「減塩」のものを探そう。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、1日のナトリウム摂取量を2300ミリグラム未満に抑えることを推奨している。
精製穀物は、食物繊維や抗酸化物質、ビタミン、ミネラルをより多く含む全粒粉に変えるのがベター。シリアルやパスタなどは、1食あたり3グラム以上の食物繊維を含み、100%全粒粉やキヌアのような、全粒穀物を主成分とするものを選びたい。その際も、なるべく砂糖が入っていないものをチョイスしよう。
- 豆類:ブラックビーンズ(黒インゲン豆)、カンネリーニ(白インゲン豆)、レッドキドニー(赤インゲン豆)、レンズ豆、ひよこ豆など
- スープ:ブロス、ストック
- 魚の缶詰:ツナ、サーモン、サーディン(イワシ)など
- 野菜や果物の缶詰:サヤインゲン、トマト、ジャックフルーツなど
- ココナッツアミノ
- 低糖質の麺:パルミニ、スパゲッティスクワッシュ(そうめんかぼちゃ)など
- ナッツ&シード類:アーモンド、カシューナッツ、クルミ、チアシード、フラックスシード、ヘンプシード、サンフラワーシードなど
- オイル&ビネガー:オリーブオイル、アボカドオイル、バルサミコ酢、赤 or 白ワインビネガー、ライスワインビネガー、アップルサイダービネガーなど
- サルサ
- トマトソース
- ハーブ&スパイス:バジル、シナモン、クミン、ガーリックパウダー、オニオンパウダー、オレガノ、タイム、ターメリック、赤唐辛子のフレークなど
- 全粒穀物:オーツ麦、キヌア、ワイルドライスなど
- 全粒シリアル
- セルツァー(炭酸水)
メニューのヒント
食品を手に入れたら、次はそれをどう使うかを考えなくてはならない。上記の食品を取り入れた、ヘルシーな食事や間食の例を以下でチェックしていこう。
〈朝食の例〉
- ヨーグルトにベリー類、ザクロ、ナッツ、シードなどを加え、シナモンやシトラスゼスト(柑橘類の皮のすりおろし)をトッピング
- ほうれん草、唐辛子、低脂肪チーズ入りのオムレツ or スクランブルエッグ
- ナッツミルク、プロテインパウダー、ベリー類で作るチアシードプリン
- プロテインパウダー、低脂肪 or 無脂肪のギリシャヨーグルト、ほうれん草、冷凍ベリー、シナモン、ナッツミルク、チアシードで作るスムージー
〈昼食の例〉
- レタス、ニンジン、アーティチョーク、トマト、オリーブのサラダに、魚やチキン(生鮮、冷凍、缶詰いずれも可)をトッピング
- 低脂肪タンパク質(チキン、魚、豆類)、野菜のソテー、スライスしたアボカドをのせたカリフラワーライスボウル
- レタス、トマト、ターキー(もしくはテンペ)、低脂肪チーズ、マスタードを全粒粉のトルティーヤラップと一緒に
〈間食の例〉
- ナッツバター添えのりんご
- 低脂肪もしくは無脂肪のギリシャヨーグルト、スキールヨーグルトにベリー類、シナモン、レモンゼスト
- ポップコーン
- フムスとスティック野菜
〈夕食の例〉
- カリフラワーライス、豆類、レタス、サルサ、ワカモレ、チキンのひき肉 or テンペ、低脂肪ギリシャヨーグルト、低脂肪チーズで作るブリトーボウル
- ターキーのミートボールにスパゲッティスクワッシュもしくはズードル(ズッキーニを麵状に細切りにしたもの)を添えて
- チキンやひよこ豆、パプリカにハリッサスパイスをかけ、オーブンでグリル
〈おやつの例〉
- カカオ70%のダークチョコレート
- パイナップルにカシューナッツをふりかけて
- ヨーグルトバーク
買い物の際に気を付けたいこと&さらなる心がけ
✔️ 空腹で買い物に行かない:空腹の状態で買い物に行ってしまうと、衝動買いしてしまう危険が高い。買い物リストを持ってお店に行き、加工食品は避けて、栄養価の高いホールフードをカゴに入れよう。
✔️ 飲料は賢くチョイスを:甘い炭酸飲料やジュースを、水や低カロリーの炭酸飲料に置き換えることは、多くの人にとってダイエットの第一歩となりうる。これだけでも、1日で数百キロカロリーをカットできることもあるのだとか。
✔️ 食事の準備:前もって食事の計画を立てることが、減量や体重管理に役立つという研究結果もある。あらかじめメニューを考えておくことでバランスのとれた食事を用意でき、食事のバリエーションを増やすことも可能で、量のコントロールにも役立つ。しかも同時に、廃棄物を減らすこともできるのだ。
✔️ シンプルでも気持ちを込めた料理を:料理は複雑である必要はまったくない。低脂肪のタンパク質(鶏肉や七面鳥、魚、豆類など)、野菜、全粒穀物(キヌア、ワイルドライスなど)、ヘルシーな脂質(アボカド、オリーブオイルなど)を選ぶだけ。
また、TVの前ではなく、きちんとテーブルで食事に集中すると、一口一口を楽しむことができる。マインドフルな食事は、体重管理に効果があるかもしれないということが研究でも示されている。
✔️ 誰かと一緒に実行する:何事にも共通して、心強いサポートシステムがあると計画を軌道に乗せやすい。オンラインフォーラムに参加したり、家族やパートナー、友人と一緒に買い物に行くようにしてみて。
✔️ 運動を始める:ランチ後やディナー後などに、時間が許す限り散歩などをして、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が推奨する「毎週150分間の中強度の有酸素運動」をするようにしよう。
まとめ:ダイエットに“秘訣”はない。消費カロリーよりも摂取カロリーを抑え、自分に合う形で健康とエネルギーレベルの向上につながるような方法を見つけるしかないのだ。ある人には有効でも、別の人では結果が出ないということもある。しかしどんな人でも、砂糖や精製穀物を減らすことは、いいスタートになりうる。
買い物のプランを立て、果物、野菜、低脂肪のタンパク質、ヘルシーな脂質、全粒穀物などのホールフードでカゴを満たし、そして体を動かそう。ダイエット向けのミールキットやデリバリーを有効活用するという手もあるし、日記をつけて、うまくいかないときの行動パターンを把握するのもアリ。自分にとって続けやすいベストな道を見つけよう。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From Good Housekeeping US
From: ELLE JP