デリケートゾーンのかゆみ・ムレ・臭い・カサつき……など、人には話しにくいデリケートゾーンのトラブル。昨今は、デリケートゾーンをケアするアイテムが数多く登場しているけれど、デリケートゾーンをケアすることのメリットは？ その他にも、トラブルの原因や正しい使い方などデリケートゾーンケアの気になる点について、内科医の桐村里紗先生から教えてもらった。エディターが厳選したおすすめアイテムもあわせてチェックしてみて。
目次
デリケートゾーンとは？
デリケートゾーンとは、陰部全体のことをいう。陰部は洗わない方が良いという考え方を持っている人もいるのでは？
「洗わない方が良いというのは、古い考え方。日本の女性はデリケートゾーンをケアするという意識が低いと思います。デリケートゾーンは、体の中で一番繊細な場所なので、正しいケアをして、清潔に保つ必要があります」と桐村先生。
トラブルの原因
デリケートゾーンのトラブルのなかでも悩みの多い「かゆみ・ムレ・におい・かぶれ」の原因を桐村先生が教えてくれた。
かゆみ・ムレ
「ストッキングやタイツなど、熱がこもりやすくデリケートゾーンを締め付けるものを着ていると、ムレにつながるのはもちろんのこと、摩擦でデリケートゾーンがこすれかゆみにつながります。また、生理中は肌全体が刺激に敏感になりやすく、デリケートゾーンも同様にかゆみを感じやすくなります」
におい
「不衛生にしていると、雑菌などの温床となる可能性も高く、においがキツくなるケースがあります。デリケートゾーンの表面だけでなく、中まで洗いすぎてしまうと、常在菌が減り、雑菌が増えてニオイの原因になる可能性があります。。膣には自浄作用があり、石鹸などで洗いすぎてしまうとその力を弱めてしまうことになるため、かえってよくありません。おりものの酸っぱいにおいは、健康な状態なので問題ありません。その他のにおいの場合は、性感染症やカンジダの可能性も考えられるので、婦人科に受診しましょう」
かぶれ
「ムレることでデリケートゾーンの皮膚のバリア機能が弱くなり、それが原因でかぶれが引き起こされることがあります。特に月経中、ナプキンの長時間の使用はムレやかぶれの原因になりやすいので注意しましょう」
デリケートゾーンをケアするメリット
デリケートゾーンのトラブルを解決するためには、正しいケアが欠かせないんだとか。その他にも、デリケートゾーンをケアするメリットはあるのだろうか。
「自分の体、デリケートゾーンと向き合い丁寧にケアすることは、自己肯定感の向上にもつながります。自分の体を知ることは、健康でいるためにも大切です。また、粘膜の乾燥が進行することで、血行も悪くなり、硬く弾力のない膣になってしまいますが、洗ったあとにオイルで保湿することで、デリケートゾーンの乾燥も防げます。いつまでも粘液を分泌できる潤いのある体を目指しましょう」と桐村先生。
ここからは、実践編。まずは、デリケートゾーンの洗い方を伝授！
デリケートゾーンの洗い方と注意点
「デリケートゾーン用の刺激の少ないソープを使って、やさしく汚れを落としましょう。中まで洗いすぎず、体と同じようにふつうに洗っていれば問題ありません。ゴシゴシとタオルでこすったりせず、泡でふんわり洗うこと。また、中まで洗うと、からだに必要な常在菌まで殺してしまい、かえって菌に感染しやすくなり、カンジダや細菌が繁殖してニオイの原因になるので、控えてくださいね」と桐村先生。
おすすめ石鹸・ソープ7選
エディターが選んだおすすめ「デリケートゾーン用の石けん（ソープ）」を6つご紹介。
ビオトゥルムのフェミニンラインは、pH値3～4のオーガニックの乳清由来のラクトインテンシブアクティブコンプレックス(ホエイ) を配合。天然の乳酸とカモミール(カミツレ花エキス)と カレンドラ(トウキンセンカ花エキス)の植物エキスが刺激を受けやすい肌をすこやかに。透明のジェル状のテクスチャーは泡立ち、泡切りも良いので使いやすい。
デリケートゾーン専門美容サロンから誕生した「ピュビケア オーガニック」の、デリケートゾーンのpH値に合わせた弱酸性のソープ。ココナッツ由来の低刺激の洗浄成分で優しく洗い上げられる。まろやかな泡で出てくるから、泡立てる必要がなく、細かいところまでしっかり汚れを落とせるのが魅力。
デリケートゾーンを優しく洗う弱酸性のクリーム状のソープ。膣をしっとり仕上げる為にスリランカのセサミオイルとキングココナッツオイルを配合し、香りにはローズゼラニウムとイランイランの精油で色気をアップ。アーモンド一粒分位を手にとり、泡立てネットでしっかり泡立てて。優しく洗った後は、ゆるま湯ですすいで。お肌の弱い方でも安心して顔、全身に使える優秀アイテム。
日本人女性のデリケートゾーンに合わせ、保湿効果のある「5種類の和漢植物のエキス」を配合したデリケートゾーン用ソープ。肌本来がもっている常在菌やうるおいを保持したまま、気になるニオイやかゆみのもとである恥垢（ちこう）をすっきりと洗い上げる。
植物の力でやさしく洗い上げることを追究した、デリケートゾーン用洗浄料。天然植物由来 90％以上で天然植物精油 100％だから、ナチュラル派の人におすすめ。パルマローザ、ゼラニウム、オレンジ、ラベンダーの精油をブレンドした、心地よい香り。
シチリア生まれのオーガニックコスメブランド「アルジタル」のデリケートゾーン用ソープ。保湿成分をたっぷり含んだうるおうグリーンクレイに、イタリアの天然水と、浄化作用の高いニアウリ葉油などの植物成分を配合。100％天然由来で、ニオイやトラブルの原因をケアしてくれる。
日本のデリケートゾーンケアブランド「アイム ラフロリア」。不規則な生活習慣や洗いすぎによって乱れたデリケートゾーンを整える「乳酸菌」を配合したデリケートゾーン用のソープ。潤った健康的な肌へと導いてくれる。イヴピアッツェローズの華やかな香りにふんわりと包まれて。
おすすめオイル・クリーム・ジェル10選
「きれいに洗った後は、しっかり保湿することが大切です」と桐村先生。ここからご紹介するのは、デリケートゾーン用の保湿アイテム。低刺激で、なるべくナチュラルなものを選ぶのがポイント。
アロエベラをベースにしたウォーターベースローションはグリセリン、パラベン、ホルモン、糖分など腟に余分な成分の添加は一切していない。腟のpH値に合わせて作られているので、腟内のpHバランスを崩さない設計に。
ラクトインテンシブアクティブコンプレックス(ホエイ)が潤いを導き、植物油がやさしく肌を包み込んでくれるクリーム。かなりのびがいいので、少しずつ、薄く重ね塗りをするのがポイント。
スリランカの職人が手作業で、石臼をゆっくり挽いて絞った酵素たっぷりのスリランカセサミオイル。加熱処理はもちろん行っておらず、更に超低温の17度以下で絞っているから、セサミ本来の濃厚な香りを楽しめる本格派。マッサージをするときに塗布して使う、膣ケアアイテムだけど、バスト、ヒップ、お顔、全身の保湿として使用してもOK。
潤いを与えて、乾燥によるくすみもケアするシルキークリーム「ブライトニング クリーム」。ふっくらとした透明感のある肌へと導いてくれる。黒ずみが気になるワキやバストトップにも使える。
ローションの老舗メーカー「yes」。ブランドとしての安心感が持てる上に、成分内容も安全性の高いオーガニックなものに。オイルをベースにしたローションは、潤いが長時間持続。
保湿力が高めのものを探している人はジェルタイプがおすすめ。オーガニックのアマ種子やアロエベラが繊細な肌をしっかりと保湿してくれるはず。
脱毛後や下着の摩擦などで、うるおいを逃がしやすいデリケートゾーン用に、植物成分を厳選して配合したジェル状保湿セラム「ルブリカント」。年齢を重ねてもうるおいのあるコンディションを保つことができる。べたつき感のない心地よい質感がGOOD！
肌を保護するグリーンクレイに加え、清潔に保ち肌荒れを防ぐ効果の高い15種類の植物成分を配合した、デリケートゾーン用のクリーム「デリケートハイジーン ニアウリクリーム」。優しくのびて、なじんだ瞬間サラサラとした使い心地。爽快な香りと、スーッとする使用感でリフレッシュして！
デリケートゾーンのケアを提案する日本発ブランド「トレスマリア」から、弱酸性・ 低刺激・無添加のデリケートゾーン用乳液。肌なじみが良いから、塗布後すぐに浸透してくれる。
デリケートゾーンの臭いが気になるなら、ミストでリフレッシュする習慣を取り入れてみては？ 気になった時に手軽に使えるサイズ感なので、携帯にも便利。生理中の外出時などにスッキリしたい時にはベスト！
おりものシートをつけっぱなしにしてしまいがちな人には、吸水ショーツがおすすめ！ おりものシートをずっとつけておくよりも、通気性がよく蒸れにくく、防臭抗菌加工の生地を採用しているから、においの原因菌の増殖を防いでくれる。吸水ショーツは生理の時だけでなく、デイリーにも活用できそう！
「履き心地も通常のショーツと変わらず、おすすめです」（桐村先生）
